2006年 6/17-18 & 7/1-2 ボードセーリング研修

静岡県教育委員会のボードセーリングリーダーズ養成講習会を受講したのでここに報告します。

■講習会参加の概要
B&G掛川にセーリングボードが備えられて久しいが、今では指導者も変わり十分活用されなくなっている。
以前は使いこなすには無理のある小中学生がクラブ員の中心であったが、今では高校生も多くなったのでしっかり教えれば使いこなせるものと思い、その教え方を学ぶためこの講習会に参加した。
講習会を主催した「静岡県三ケ日青年の家」はマリンスポーツを通しての青少年の健全育成や生涯学習の推進を目的として設立されていて、体験教室も多く開催している。その体験教室やこれに限らずいろいろな場でマリンスポーツを普及し指導する人たちを育てることを目的にこの講習会は開催されていて、まさに私の目的とするところにぴったりであった。
すばらしい講師陣に教えてもらう1泊2日の2回、延べ4日間の講習会は大変楽しく、有意義なものであった。
以下にポイントをまとめて報告する。
c0074116_1539129.jpg

■講習会内容と天候
6/17 (土) 曇り、時々霧雨
AM 心肺蘇生法 (AEDの扱い含む)
PM 実技(セイルアップ~アビーム)
夜 座学(自己紹介、セーリング技術、セーリング力学、レース場面のビデオ講座)
6/18 (日) 曇り、時々雨
AM~PM 実技(ラッフィング、ベアリング。及びタッキングのさわり)
7/1 (土) 曇り
PM 実技(ラッフィング、ベアリング、タッキング)
夜 座学(天気図、セーリングルール、安全、ロープワーク)
7/2 (日) 曇り
AM~PM 実技(ジャイビング、ビーチスタート、レース)
c0074116_15393961.jpg

■実技でのポイント
基本的な要領はB&G財団でまとめている資料と同じなので図として引用し、「ナルホド」と思った点や、「ここがポイント!!」と会得したことを補足します。

仕様、名称
実習で使った艇のセール面積は5.5平米でBGにあるのと一緒。
ジュニア用には3.0平米もあるんだ。 これなら小学生もできるかも。

セッティング
実習艇ではブームのマストへの取り付けはクランプ式で、マストのジョイントへの取り付けはワンタッチ差込になっていて、とても使いやすく出来ていた。 一方、B&Gの艇にあってはマストとブームの固定はロープワーク、マストをボードに接続するときは、ボードとマストを突き当てたところにピンを刺すというなんとも手が3本欲しいセミ歴史的代物である。 でもこのワンタッチでないおかげで、各部の構造や原理を知ることができ、特に初心者にとっては丁度良い教材である。
図ではアップホールラインのエンドが自由になっているが、講習艇では輪加工がしてあってジョイントに通していた。ラインエンドが必ず足元にあるので便利。

基本動作(セールアップからニュートラルポジションへ)
立つ位置、「ジョイントボックスを足ではさむように立つ」を意識することが大変大事。
素人(僕の話)は足の置く場所に頓着ないが、ボードの中心線をはずすとボードが大きくローリングする。
しごく当然の話だが経験がないとそれに最初気が付かない。

基本動作(5ステップ)
慣れてきてわかったが、
1)マストを起こすときは艇の進行方向に持っていくこと。(図の③)
2)最後にセール手を引き込む時はセールに推力が働くので、それより前に体を後ろに引いて(後ろ足の膝を曲げ、腰を落として)構えること。(図の④あたり)
3)「マスト手でブームをつかんだときから、セール手でブームをもち、セール手を引き込む」は一連の動作でサーッと行うこと。すなわち、風が比較的あるときなら「マスト手でブームをつかむ」時から体は後ろに倒し始めてよい感じだ。

基本動作(セーリングフォームからニュートラルポジションへ)
アビームで走っているとき(に限らないが)腰が凡そ進行方向を向いていないといけない。
そのためにも、マストは目の前、進行方向にあること。 セールを該進行方向に置くと、視線がそちらに向き目線も遠くなるので、自分のバランスも取り易くなる。

水上でのセールアップ

アビーム
c0074116_2141296.jpgなぜアビームと言うか? 船体の構造の3大要素は、キールとフレームとビーム。風を横から受ける場合、「ビームにそって」という意味で a beam と理解しているが、言語学的起源は知らない。 a はロマンス語系だし、beam は英語っぽいし・・・ご存知の方いたら教えて!


・ラッフィング/ベアリング
弱風下でのラッフィングのコツはブームエンドを水面につけるぐらい後ろに倒すこと。
強風下では、艇のレスポンスは大きくなるので、チョット後ろに傾けただけですぐラフするようだ。
講習会では通して弱風だったので、ベアリングもセールを前倒し(図1)にすることで比較的容易にできた。
ベアリングの場合、セールの風圧中心が遠くになり、かつセールを前に出し上体が前に泳ぐ形になりやすいのでバランスを失いやすい。
ダガーをしまえば水中の抵抗中心(ダガーとフィンの抵抗中心の和)が後ろに寄るのでセールをさほど前倒しにしなくてもCGとCLRの距離が取れ、回頭しやすくなる。(図2) 強風下では体を後ろに倒してバランスさせないといけないので、セールがおのずと後ろ寄りになり、結果ダガーをしまわないとベアできないことになる。
講習では「ダガーをしまわないとベアしづらいですよ」と教わった。
c0074116_1537967.jpgc0074116_1537436.jpg


風向き
デッドゾーンに向けないのは当然だが、板の上に立ってドタバタやっていると風向きとボードの向きがどうなっているか体感しづらい。ヨットでタックするときと同様、タック前にタック後の向く方向を確認してから行なえば落ち着いてできる。・・はず。

・タッキング/ジャイビング
タッキングでは風を常にマスト側から受けるので違和感がないが、リーチがピンピンに張られているセールではリーチ側、ラフ側、どちらから風が入ってもちゃんとしているのでジャイブのときにどうセールを回したらよいかイメージしにくい。 ま、慣れるしかないか・・と思った。
図ではセールの返しを③でやっているが、そのまま返さずに⑤まで、ブームエンドファーストで帆走し、受けた風の力で一気に返したほうがすばやいし、カッコいい。

・ビーチスタート
最終日の午後はレースが予定されたが、スタート直前になって風が上がり白波が立ち、急遽中止となった。替わりに、この風の強さを利用してビーチスタートを教えてくれることになった。リーダーの説明、手本を一通り終え、さて受講生が・・となった時今度はアレヨアレヨという間に風が落ち、ビーチスタートはもはや出来なくなった。 結局レースを再開することとなったが、リーダーの切り替えのよさに感心した一コマだった。


■受講のお勧め
c0074116_15403159.jpgこのブログを見た方、もしあなたがボードセーリングをやりたいと思っているなら、あなたは大変ラッキーな人です。 是非、受講することをお勧めします。

何がラッキーかというと
1)4日間(1泊2日が2回)の講習会が食事つきで6000円弱という費用で受けられること。
初日に出てきた昼食弁当がウナギで、それ以降の夕食などツラツラ思うと実費すらカバーしていないほどの安さ。 ちょっとやそっと値上げがあってもお勧め。

2)費用以上にいいのが、講師陣。
みんなこのリーダーズ講習会の卒業生でリーダー1年生からベテランまで幅広いが、みんな教え方のコツはしっかり持っていて、わかりやすく、体当たり実演で教えてくれる。
簡単にいうと熱意があって、こちらも熱くなれるということ。

3)リーダーズ講習会を卒業すると県教育委員会が定める初級指導者に認定される
表彰状などもらうことのない私は、認定証でももらえると素直に嬉しい。 教えようという気がみなぎってくる。

4)BLC(ボードセーリングリーダーズクラブ)に入会でき、堪能できる
年5千円の会費でクラブに入会でき、クラブ活動では青年の家の施設やボードなどが使える。
費用負担はあるが、会費からの補填もありとってもお得。
金銭的お得ばかりでなく、リーダー仲間が行動力に溢れ、楽しく素敵な人たちばかりというところが魅力・・・を重ねて言うがお忘れなく。 ボードセーリングだけでなく、スキーやスノボにも行っているようだ。
今回の13回受講生もリーダーズクラブに入会したので、素敵な人たちが更に増えた。

5)あなたは私より幸運だ
冒頭にも述べたが、私はB&G掛川をメインに活動しているので、時間の都合からリーダーズクラブに入ることは見送らざるを得なかった。 入会できるあなたは私より格段にラッキーだ。

この講習会は毎年1回行なわれています。次回は来年だが待ちきれない人は直接かけあってはどうでしょう。
c0074116_1541766.jpg
<BLC13期生>               報告:HN
[PR]
by bgkakegawa | 2006-07-13 23:20 | リーダー研修
<< 2006年7月15日掛川ネイチ... 2006年7月1~2日ヨットリ... >>